秋も深まり、一年中で一番夜の長い季節がやってきました。当然、部屋の照明をつけている時間が長くなりますが、灯りは、どんなシーンでも「明るければいい」というものではありません。特に蛍光灯の明るさに慣らされている私たちは、少しでも明るさを下げると冷たく寂しげな気分になるものです。それは実は、蛍光灯という光源の特徴の一つなのです。ちなみに電球の灯りは照度が十分でなくても、なんだかとても暖かい印象がありますよね。くつろぐシーンでは、テーブルスタンドや床置きのランプなどを2、3個点けておけば、天井からの蛍光灯がなくてもむしろ優しい明るさに包まれます。
私たちはいま、照明器具に機能面(明るさやコスト)ばかりを重視していますが、昔は、ほのかな月の灯りを楽しんだり、ろうそくの炎、光と影を上手くコントロールしてきました。そんな昔の日本人の感性を取り戻し、せめて、眠りにつく前のひと時、疲れた身体を癒す時間に、ほのかな灯りでくつろぐのもよいでしょう。
クリスマスシーズンに向けて店には、色々な種類のキャンドルが並んでいますが、特別な日だけに使うのはもったいないですね。特にユラユラとゆれるキャンドルの炎は、見ているだけで心までほぐしてくれそう。例えば人間関係がギクシャクしていても、ふとしたことで会話がうまれるかも? そんな期待も込めて、この冬は灯りを楽しんでみませんか。
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