「イメージを伝える」
インテリアの打ち合わせにおいて、頭の中にあるイメージを具体的に表現することは容易ではありません。その際に使われる感覚的な言葉は、共通認識されているものと思っていても、個人で大きく異なっていることが多いので、特に言葉で伝えようとする場合は注意が必要です。

例えば「高級感」。素材の確かなものなのか、派手に装飾を施したものなのか、シンプルでもゆったりとしたものか? 個人で認識やイメージは大きく違います。他にも「かっこいい」「かわいい」「渋い」などの表現は、曖昧で個人差が出やすいので、突っ込んだ確認が必要になってきます。その際に役立つのが、写真や雑誌の切り抜き、実物のサンプルやスケッチなどで具体的に確認してゆくことです。そんなの当たり前と思われるかも知れませんが、いざ、打ち合わせの段になって、この細かい確認作業を怠ってしまうと、取り返しの付かないことにもなりかねません。自分(施主)の思い込みと、相手(業者やデザイナー)の思い込みが平行線のまま、気付かれないことがあるからです。簡単なスケッチを描いたり色鉛筆で色を着けてみたり、特別な技術はなくてもできる範囲で充分です。上手い下手ではなくイメージが伝わる手段として、どんどん取り入れるべきだと思います。

家づくりは施主と専門家のキャッチボールが肝心といわれています。イメージという形に表しにくいものこそ、充分なコミュニケーションで具現化したいものです。
2003年10月 掲載  


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