「タイルの魅力」
 住宅において内装のタイルといえば主に水まわり(トイレ、お風呂やキッチンなど)に使うことが多かったのですが、最近では便利な樹脂パネルなどに取って代わり、どんどん活躍の場が減ってきています。しかし、タイルの機能性のみを重視した使い方ではなく、逆に焼き物としての素材の面白さを見直し、内装のアクセントとして使うパターンが増えてきました。例えば、内装の壁の一部にタイルを使うことで、クロス貼や塗装仕上げだけでは得られない質の高い空間にすることができます。

 また、窓辺のフローリングの一部を土色のテラコッタ(風)タイル仕上げに変えると、外と中をうまくつなげてサンルームのような空間を作り出すことができます。タイルというと硬く冷たいイメージがどうしても拭えませんでしたが、最近は床暖房を取り入れることにより解決できるようになりました。

 工場生産がほとんどとはいえ、土から作られるタイルという素材には、焼成温度や釉薬によって色や質感に無数の種類があり、自然素材としての面白みと深さを感じさせられます。選び方や貼り方次第で、自分だけのオリジナルな空間が作れるというのもタイルならではの魅力ではないでしょうか。
2002年4月 掲載  


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