建築とインテリアは数え切れない程多くの要素から成り立っています。また、建築とインテリアを分けて考えることは不可能で、それは、家とそこに住む人を分けて考えることができないのと同じです。著名な建築家のすばらしい設計(作品)でも、設計者から離れた部分で、その家のインテリアを完成させるのは住まい手であり、5年,10年という時間をかけて住みこなしてゆくものですから。
さて、地元の建築家の見学会があるの言うので足を運んでみました。完成したばかりの家にはまだ家具はなく、白を基調にすっきりとクールにまとめられた空間。「私なら、北欧のチェアに赤茶の革のソファかな・・・。アンティーク家具をアクセントにしてもいいな。」と頭は想像で膨らんでゆきます。そして「この家に住む人は、どんな家具をチョイスし空間を完成させるのだろう・・・」
住宅が完成したあと、時々残念に思うことは、住み手と設計者の目指す空間が微妙にずれている時。無造作に置かれた不釣合いの家具やカーテンを見てしまった時。今更ながらですが、やはり「インテリアは大事」と言うことを実感する瞬間なのです。たとえば、間取りや室内の造作(ドアやキッチンまで)が同じ作りのマンションでも、家具やカーテン、照明などの「トッピング」を変えただけで、空間のイメージはがらりと変わりますね。また、モデルハウスで見たイメージと何もない空間があまりに違うことにがっかり…という事もあるでしょう。「建築」となると専門的なイメージがあり難しい気がする人も、好きなインテリアの写真を切り抜いて集めたり、好きな家具のカタログを集める、といった身近なことから、まずは自分の好きな空間のイメージを見つけてみてください。本当に好きなものを見つけるのは意外と時間がかかるかもしれないのですが、だんだん目が肥えてきますし、無駄なものが省かれてゆくものです。
イメージ写真 1枚
|