内部空間のイメージは、色の印象によって作ることができると言えますが、色が無秩序に多すぎる空間は、それだけで落ち着かず、気付かないうちにストレスになったりすることもあります。しかし、「広く見える、すっきりと感じる」ということで、壁の色はほとんど白っぽく仕上がる最近の住宅には、あまりに画一的で、個性がないように思えてなりません。もともと、日本の住まいの色には鮮やかさこそありませんが、塗り壁の微妙な色、襖紙の色調、様々な木部の色味、伝統的に培われてきたインテリアカラーがありました。西洋の住宅には「ウォールデザイン」を住む人自ら手がける、ペンキや壁紙が普及しています。国柄は違っても、空間の色を使って、もっと「楽しむ」ことができるのでは、と考えずにはいられません。写真は、部屋の壁の一面を「アクセントウォール」として、色の違う壁紙を貼った例です。色の対比が大きい場合はかなり斬新な感じになりますが、色によってはシックに、あるいは、明るく活動的な印象に空間が変わります。色を変える方法は、クロスの張替えの他、クロスの上にペンキ塗り、などがあります。今住んでいる部屋を変えようとすると少し勇気もいりますが、「壁の一面だけ」と思えば、トライしやすいかもしれません。トイレや書斎、子供部屋といった狭い空間から、試験的にやってみるのも良いかもしれません。インテリアの色を気楽に楽しむことができれば、暮らしがもっと楽しくなるに違いありません。(写真@)
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